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高分子化合物

雑記

化合物とは、2種類以上の元素からできている物質です。

歯科材料のレジンやワックス、寒天印象材やシリコーンゴム印象材などの材料は化合物です。

化合物の中でも高分子化合物こうぶんしかごうぶつに分類されます。ですので、高分子材料とよばれています。

ここでは、高分子化合物について学んでいきます。

高分子化合物って何だろう?

中学校では、原子と分子についてすでに習ってきたね。

 

ざっくりいうと、分子がスゴーーーくたくさん(10000以上)つながった化合物を「高分子化合物」とか、単に「高分子」というよ。

なるほどー。

 

分子がたくさんつながっているから、高分子ね。

この高分子化合物を作るための化学反応重合反応じゅうごうはんのう(重合)というんだよ。

この、重合、つまり、分子をたくさんつなげる方法について、これから解説していくね。

高分子化合物(高分子(ポリマー))・・・分子量が一万以上の化合物のこと。高分子を英語でPolymer(ポリマー)という。
単量体たんりょうたい(モノマー)・・・高分子化合物において繰り返される構成単位となるもので、比較的小さな分子。
重合じゅうごう・・・単量体が繰り返し結合すること。重合体を作ることを目的にする化学反応の総称を重合反応という。
重合体(ポリマー)・・・単量体の重合によって生成した高分子化合物のこと。
天然高分子化合物・・・天然に存在する高分子化合物。歯科材料では、アルジネートや寒天など。
合成高分子化合物・・・人工的に合成された高分子化合物。歯科材料では、アクリルレジンやシリコーンゴム印象材、パラフィンワックスなど。

単量体(モノマー)どうしは、互いに官能基かんのうきと呼ばれる部分(図の「腕の部分」)を互いにつなぐことで重合体(ポリマー)となります。

出典:https://www.sumitomo.gr.jp/kids/shikumi/sumitomoseika02.html

合成高分子化合物の例:ポリエチレン

例えば、高分子化合物の一つにポリエチレンがあります。

ポリエチレンは、薄くて透明なフィルム状で、使い捨ての手袋やポリ袋などに使われるよ。みんなもきっと見たことがあると思うよ。

ポリエチレンは、エチレンが繰り返し結合したものです。つまり、先ほどの説明で出てきた言葉を使うと、

ポリエチレンは、エチレン(単量体)が重合してできた重合体で合成高分子化合物です。

これを「構造式」で表すと次のようになります。

エチレンがたくさんつながって、ポリエチレンになるんだね。

この反応を模式図に表すと、図のようになっているよ。

二重結合をもつ化合物が、反応によって単結合をもつ化合物に変わり、次々につながっていくよ。これが重合反応のなかで最も多く使われる付加重合のイメージだよ。

重合反応の種類

重合反応には逐次反応と連鎖反応の2つがあります。

逐次反応・・・付加縮合、縮合重合(重縮合、縮重合)重付加

連鎖反応・・・付加重合、開環重合

これらの重合の中で、歯科材料の重合に使われている

3つの重合「付加重合」「縮合重合」「重付加」を解説します。

 

種類重合方法歯科材料
付加重合ふかじゅうごう重合開始剤や触媒しょくばいなどの働きによってモノマーの二重結合が開き、連鎖的につながって生長して高分子になる反応。高分子合成反応の中で最も多く用いられる。付加重合は、反応の種類でラジカル重合、イオン重合などに分けられる。義歯床用レジン、コンポジットレジン
縮合重合しゅくごうじゅうごう

単量体の間で、小さな分子が取れる反応(縮合反応)、残った分子がつながっていくような反応。

縮重合しゅくじゅうごう重縮合じゅうしゅくごうとも言われる。

ポリサルファイドゴム印象材、縮合型シリコーンゴム印象材

重付加じゅうふか

分子の放出のない反応。付加重合の中で、ある条件で付加反応をくり返して高分子になる反応。付加型シリコーンゴム印象材、ポリエーテルゴム印象材

ここからは付加重合と縮合重合について、もう少し詳しくみていきたいと思います。では、次に進みましょう。

付加重合のしくみ

付加重合のしくみを説明します。

付加重合のイメージ図

付加重合する単量体は1種類の、二重結合をもつ分子で構成されています。

この重合では、二重結合の片方だけが切れて単結合になり、周囲の炭素分子とつながります。付加重合によってできた重合体は、全体の寸法変化がほとんどありません。

付加重合で作られる例として、先ほども例に出てきた「ポリエチレン」があります。

エチレンの炭素分子をつなぐ二重結合が切れて単結合になり、周囲の炭素分子とつながります。こうして、エチレンがいくつもつながって、ポリエチレンになります。

縮合重合のしくみ

縮合重合のしくみを説明します。

縮合重合は、付加重合と同じ重合の一つですが、単純につながっていくだけの付加重合と比べて少し複雑です。

縮合重合のイメージ図

縮合重合する単量体は、2種類の、大きな原子と小さな原子から構成されています。

この重合では、大きな原子だけがつながって重合体となり、残った小さい分子同士がペアになって取り除かれます。よって、縮合重合によってできた重合体は、全体が収縮します

縮合重合で作られる物質の例として、ナイロンや、PETなどがあります。

付加重合と縮合重合について、なんとなく、違いが分かりましたか?

ちょっと難しいな、という人はイメージ図を見て、なんとな〜く違うってことがわかってもらえれば大丈夫です。

 

さて、付加重合では、重合を始めるために必要な「物質」があります。

それについて、次から説明していきます。

 

【付加重合】重合開始剤の働き

付加重合は最初に「重合反応を起こすきっかけ」が必要です。そのための物質を重合開始剤じゅうごうかいしざいまたは触媒しょくばいといいます。

重合開始剤には、特に重合体に関わらない電子をもつ化合物か、イオンが使われます。この化合物ををラジカル(遊離基ゆうりきといいます。ラジカルは、自由に動き回って、二重結合を単結合にするなどの働きをします。

重合開始剤がきっかけで反応がすすむイメージを示します。

重合開始剤を単量体(モノマー)に添加します。

重合開始剤が働き始め、単量体は端から連鎖的に反応進みます。

重合が終わると反応が停止します。

このように、連鎖して起こるような重合反応を連鎖反応(ラジカル反応)といいます。また、このようにラジカルによって連鎖的に重合反応が進む重合をラジカル重合といいます。

ラジカル重合

重合開始剤が、重合反応を始める役割をするのですが、その重合開始剤が働き始めるためにはどうすればいいのでしょうか?

実は、重合開始剤が働き始めるためには、刺激が必要です。

その刺激には光、熱、化学反応の3種類があります。

種類重合開始剤使われる歯科材料
カンファーキノン硬質レジン
過酸化かさんかベンゾイル加熱重合型 義歯床用レジン
化学反応

過酸化ベンゾイル

第3級だいさんきゅうアミン(重合促進剤)

常温重合型 義歯床用レジン

例えば、上の表の中で硬質レジンという材料があります。

硬質レジンには、重合開始剤としてカンファーキノンが入っています

そのまま放っておいてもカンファーキノンは働きませんが、光が当たると働き始めるという性質があります。

例えば、加熱重合型義歯床用レジンという材料には、重合開始剤として過酸化ベンゾイルが入っています過酸化ベンゾイルは、60度に加熱すると働き始めるという性質があります。

重合促進剤の働き

最後に重合促進剤の働きについてみていくよ。

ラジカル重合の種類の中で、化学反応によって重合開始される場合があります。この時使われるのが重合促進剤です。

例えば、常温重合型義歯床用レジンという材料には、重合開始剤として過酸化ベンゾイルが入っています。ただし、これは加熱しないと働きません。加熱しなくても常温で重合開始剤を働かせる方法があります。

それは、重合促進剤「第3級アミン」を使う方法です。常温でも混ざるとすぐに重合が始まります。

高分子化合物の構造

官能基(単量体の二重結合の部分)を1つだけ持つ単量体(モノマー)は、重合体(ポリマー)になった時に、線状せんじょう高分子になります。

また、官能基が1つの単量体(モノマー)を単官能性たんかんのうせいモノマーと言うよ。

官能基を複数持っている単量体(モノマー)は、重合体(モノマー)になった時に、架橋かきょう高分子になります。このような構造を架橋構造かきょうこうぞうと言います。

また、官能基を2つ以上持つ単量体(モノマー)を多官能性たかんのうせいモノマーと言うよ。

高分子材料の特性

重合によってできた高分子化合物は、どんな特性があるのかな?

1.密度が小さく軽い
2.熱膨張係数が大きい
3.空気中で燃えやすい
4.ゴム弾性を有する・・・例えばシリコーンゴム印象材などは、外力によって伸びたり元の形に戻る性質をもつ
5.ガラス転移温度がある・・・例えば結晶性の高分子の場合は加熱すると固有の温度(融点)で融解するが、非晶質の高分子でははっきりとした融点がなく、融点らしき温度で急激に軟化する。この融点らしき温度をガラス転移温度という。この温度以下では固体だがそれ以上だと液体状態となる。例えば義歯床用レジンのガラス転移温度は、82〜102℃の間である。

入れ歯は、高分子化合物だね。

それで、80℃を超えて温めると、変形しちゃうから、お湯で茹でたりとかしないように気をつけないとね!!

高分子化合物と重合反応について勉強しました。

 

どうでしたか?

難しいことばがたくさん出てきて、よくわからなかった人もいるかもしれません。

 

そういうときは、まずイラストでイメージを掴む練習をしてみましょう。ことばは後から覚えればいいですよ。

 

焦らず、ゆっくり進みましょう。

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