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【原型材料】 1. 原型材の種類と原料

原型材料

原型材料って何?

今回から、原型材料げんけいざいりょうについて学習していくよ。

突然だけど、原型げんけいって何だと思う?

原型って、型って漢字が入ってるから、、何かの型なのかな?

う〜ん・・想像つかないよ〜。

原型とは、製作物の元になる型(形)のことだよ。「げん」には「基になる」という意味があるんだ。

 

例えば、金属のかぶせ物を作るときも、最初は元になる形を原型材料のワックスで作ってから加工するよ。

原型・・・入れ歯やかぶせ物などの製作物の、元となる形のこと。パターンともいう。原型を作るための材料を原型材料といい、主に、ワックス(ろうそくの一種)やレジン(プラスチックの一種)が使われる
ワックスパターン・・・ワックスで作った原型
レジンパターン・・・レジンで作った原型

ワックスを使った原型(パターン)の作り方

まずは、原型の使い方と、その原型を使って金属のかぶせものを作る流れを紹介します。

基本金属製のかぶせ物の作り方

【原型製作】

1 石膏模型にワックス分離剤ぶんりざい(ワックスと模型がくっつかないようにする液)を塗ります。

2 ワックスを使うときには、基本的には写真のような道具を使います。

インスツルメント(ワックスを成形する器具)はいろいろな形のものがあります。このの先端の金属部分をガスバーナーの炎で加熱します。ワックスは常温だと硬いので、熱したインスツルメントで、ワックスを柔らかくします。 

原型製作時に使う器具や材料

3 温かいワックスが冷めないうちに、模型に盛り上げます。これを繰り返し、作りたい形に盛り上げます。この作業をワックスアップといいます。

4 大まかな形ができたら、ナイフの形をしたインスツルメントを使って形を整えます。

鋳型いがた製作】

5 原型が完成したら、レディキャスティングワックス(細い棒状のワックス:図の青い部分)をパターンに付けます。これは、後で金属が流れ込む入り口になり、スプルーと言います。

6 パターンを模型から外して、円錐台えんすいだい(ワックスを立てる台のこと:図の黒い部分)に取り付けます。

7 台に鋳造リング(金属の輪っか:図の茶色部分)を取り付けます。リングの中に、埋没材まいぼつざい(熱に強く、水と練ると固まる粉)を流し込み、原型をすべて埋没まいぼつ(埋め立てること)します。硬化したら台を取り外して焼きます。

鋳造ちゅうぞう(金属を流し込む)】

7 金属を溶かし、先ほど作った鋳型に流し込みます。

8 冷めたら取り出して、研磨けんま(表面を磨いて光沢を出す作業)を行い、完成です。

こちらのサイトには詳しいクラウンの作り方が紹介されていますので、参考にしてください。

クラウン(全部鋳造冠)の歯科技工操作 - みな歯科オープンWIKI

ワックスって何だろう?

ワックスと、レジンは原型材料なんだね。

レジンといえば、ぼく最近レジンのアクセサリーをよく見かける気がするよ。

最近は、100円ショップでもレジンの手作りキットを見かけるね。あと、ネイルサロンではジェルネイルという光で固めるレジンを使うことが多いよ。

 

歯科の原型を作るためのレジンは、粉と液を混ぜるタイプが一般的だよ。他にもペーストやジェルのものもあるけど、レジンについてはまた別の時に説明するね。

 

ワックスといえば、髪の毛を整えるのもワックスっていうよね。

あとは、車をピカピカにコーティングするのも確か、ワックスだったような気がする!

では、ワックスの定義について説明するね。

 

ワックス・・・常温では固体、加熱すると比較的低粘度な液体となるものの総称

ワックスは、様々なワックス原料を混ぜて作られます。原料には、天然由来の天然ワックスと、化学合成で作られる合成ワックスの2種類があります。天然ワックスは、動物由来、植物由来、石油由来、鉱物由来の4種類があります。

歯科用ワックスにはどんな種類があるの?

ワックスは工業用など、様々な分野で使われます。歯科で使うワックスは歯科用ワックスといいます。

主な歯科用ワックス

インレーワックス
パラフィンワックス
シートワックス
レディキャスティングワックス
ユーティリティーワックス
スティッキーワックス

歯科用ワックスの用途と特徴

種類用途特徴
インレーワックスインレー・クラウン・
ブリッジ等ワックスパターン
適度な硬さと彫刻性
(削って形を整えられる)
レディキャスティング
ワックス
クラスプ・バーのパターン、
鋳型製作時のスプルー
可塑性かそせい
(常温で、力を加え変形できる)
シートワックス鋳造床パターン
ブロックアウト
適度な粘りと可塑性
パラフィンワックス床義歯の仮床かしょう咬合堤こうごうてい
ろう義歯、咬合採得、
ボクシング
適度な粘りと可塑性
ユーティリティワックス既製トレー周縁しゅうえんの修正、
技工の補助的用途
柔軟性じゅうなんせい粘着性ねんちゃくせい
スティッキーワックスろう付け時の仮着かちゃく
義歯修理時の仮着
粘着性

用途は、ここで書かれている意外にもたくさんあるよ。

 

レディキャスティングワックスを使ったスプルー
インレーワックスを使ったワックスパターン製作
スティッキーワックスを使った模型の仮着固定

歯科用ワックスの形状(一例)

ワックスの使い道は、色々あるんだね。

実習で使うのが楽しみだなあ。

そうだね。ワックスごとに常温での柔らかさ、柔らかくなる温度が違うので、ぜひ使って確かめてみてね。

歯科用ワックスの組成と役割

歯科用ワックスは、複数の原料を混ぜて作られているよ。

このような物質を混合物と言うよ。

混合物・・・複数のものが混ざり合ってできたもの。そのため、融点に幅があり(○℃〜○℃のような)、はっきりとした融点(○℃)を示さない。

いくつかの物質が混ざり合っているワックスは、はっきりとした融点を示さないことが特徴だよ。

では、。ワックスに使われている原料について、みてみよう。

歯科用ワックスに使われる原料げんりょう
パラフィン・・・

石油由来ワックス(合成ワックス)。原油から分離・精製された炭化水素で、白色半透明のろう状の結晶性固体である。ろうそく(キャンドル)、化粧品、接着剤、食品サンプルなど幅広く用いられる。軟化点は37〜55℃、融点は47〜68℃。

歯科用ワックスに用いるときは、粘りや彫刻性ちょうこくせい(彫って形を作れる性質)に劣るので、他の原料と混合して用いる

カルナウバ(カルナバ)ろう・・・

植物由来ワックス(天然ワックス)。植物ワックスの中でも多く利用されている。主な産地はブラジルで、椰子やし科の植物の葉から分泌される。このワックスは、極めて硬いという特徴を持つ。艶出し剤、化粧品、インキなどに利用される。融点は82〜86℃。

パラフィンに加えると、融点が上がり、硬さが増し、フローが低下する。表面光沢を与える効果もある。

蜜蝋みつろう・・・

動物由来ワックス(天然ワックス)。ミツバチが巣を作るために蜜を食べて分泌する蝋のことで、蜂の巣作りに使われる。最初は液体だが空気に触れると固化する。最古のワックスと言われている。

パラフィンに加えると、しなやかさと表面光沢を与える

セレシン・・・

鉱物由来ワックス(天然ワックス)。オゾケライトと呼ばれる鉱物を精製して得られる。パラフィンに似ているため、用途も同じ。

パラフィンと外観や性質が似ている。

ダンマル(ダンマー)・・・

植物由来の天然樹脂。東南アジアに生育する、ナギモドキ属の常緑樹が分泌する天然樹脂。軟化点75℃、融点84〜86℃。

パラフィンに加えると、粘り強くなり、表面を滑沢にして光沢を与える

パラフィン
出典:https://toyo-catalog.ocnk.net/product/91
カルナウバワックス
出典:https://nature-guidance.jp/SHOP/carnauba001.html
蜜蝋
出典;https://nature-guidance.jp/SHOP/bw-yb-5kg.html
セレシン
出典:http://ja.cbpetroleumresin.com/zinc-oxide/ceresine-wax.html
ダンマー
出典:http://www.nlinoxin.co.jp/page8.html
ロジン
出典:https://kinomemocho.com/sanpo_pine_rosin.html

その他、歯科用ワックスに使われる材料

  • 軟性レジン(常温で柔らかい樹脂)
  • 熱可塑性レジン(熱を加えると柔らかくなる樹脂)
  • ロジン(熱を加えると柔らかくなる樹脂)

歯科用ワックスと組成 (太字は主成分)

種類組成
インレーワックスパラフィン、カルナウバ蝋、蜜蝋、セレシン、ダンマル、
軟性レジンなど
レディキャスティングワックスパラフィン、カルナウバ蝋、蜜蝋、セレシン、ダンマル、
熱可塑性ビニルレジンなど
シートワックスパラフィン、カルナウバ蝋、蜜蝋、ダンマルなど
パラフィンワックスパラフィン、カルナウバ蝋、蜜蝋、ダンマルなど
ユーティリティワックス蜜蝋、軟性レジンなど
スティッキーワックス蜜蝋、ダンマル、ロジンなど

パラフィンが主成分のワックスが多いんだね。

歯科用ワックスや原料、たくさんあって覚えられないよ・・・。

焦らずに、少しずつで大丈夫だよ。

ワックスを使ったことがない間は、暗記ばかりに思えてしまうけど、

実際に使うとそのワックスの感触がわかって、とても馴染み深いものになるよ。

 

歯科技工士は、ワックスを使って原型を作ることが多いから、しっかり理解しておきたいね。

次回は、インレーワックスについて詳しくみていきますね。

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