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【印象材】 5. 印象材の一般的性質

印象と模型製作

印象材を比べてみよう

さて、ここからは、印象材の性質を勉強して、比べてみるよ。

そこで問題です。「性質」ってどういう意味かな?

えーっと・・・あれ?急に言われると、なんて答えればいいのかな。

性質って、使っていたけど、意味を考えたことはなかったかも。

そうだね。例えば人の場合で考えると、例えばその人の体重、身長、

足が速い、計算が苦手、などが性質に当てはまるね。

 

材料の場合は、その材料の硬さ、圧縮強さ、硬化時間、粘性、耐摩耗性などが性質に当てはまるよ。

印象材の一般的性質 ①硬化時間

印象材の硬化時間・・・印象材が十分に固くなり弾性が出る時間。温度が高いほど化学反応が進むのが早くなるので、硬化時間も短くなる。ゴム質印象材の中では、付加型シリコーンゴム印象材が最も温度の影響を受けやすいので、夏場など部屋の温度が高い場合は操作余裕時間が短くなることを想定して作業を進める。一方、縮合型シリコーンゴム印象材は、温度の影響を受けにくい。

石膏と同じで、練和を終えて使える状態になった印象材が硬化するまでの時間を操作余裕時間と言います。この時間内にトレーに盛り上げたり、形を整えたりして、印象採得を行います。その間もどんどん流動性は落ちていくので、手早く作業することが求められます。

印象材の一般的性質 ②寸法安定性

寸法安定性・・・印象材の硬化後のサイズが安定していて、変わらない性質のこと。もし収縮してサイズが変わってしまう場合は「寸法安定性に劣る」サイズがほとんど変わらない場合ばあ「寸法安定性に優れる」と表現する。

寸法安定性は印象材によって違うよ。

弾性印象材の、寸法安定性ランキングを見てみよう!

弾性印象材 寸法安定性ランキング

  • 第1位 付加型シリコーンゴム印象材
  • 第2位 ポリエーテルゴム印象材
  • 第3位 ポリサルファイドゴム印象材
  • 第4位 縮合型シリコーンゴム印象材
  • 第5位 アルジネート印象材
  • 第6位 寒天印象材

こうして比べてみるとわかりやすいね。ハイドロコロイド印象材は、寸法安定性は良くないんだ。使うときには気をつけなくちゃね!

印象材の一般的性質 ③弾性回復

以前、弾性ひずみや弾性変形の話をしたけど覚えているかな?

えーっと・・・

弾性変形、塑性変形は、初めて習うとき、ちょっと難しい感じがするよね。でも、難しく考えないでね。

 

要は、変形させた後に元に戻る(弾性変形)か、戻らない(塑性変形)かだよ。

例えば、金属製のスプーンを曲げたらもう形は元に戻らないけど、シリコン製のケースは、押しても曲げても形が元に戻るよね。

 

そして、この考え方は、弾性印象材を使って正確な印象採得をするために、とても大切なんだよ。

弾性回復

弾性をもつ物質に力(荷重かじゅう)をかけ続けると変形する。

弾性回復だんせいかいふく・・・短い時間の変形であれば、力を取り除くと変形が回復(元の形に戻る)する。これを弾性回復という。
残留ざんりゅうひずみ・・・長い時間変形させたままにすると、力を取り除いても弾性回復せずに、変形が残ってしまう(残留)。この、残ってしまった変形を残留ひずみという。変形させる時間を長くすればするほど、残留ひずみは大きくなる。

弾性がある印象材でも、長い時間変形させてしまうと、元の形に戻らなくなってしまうよ。だから、硬化後の印象を撤去する時は、できるだけ短い時間で行うのがベストだね。

印象材の性質 ④模型材との相性

ハイドロコロイド 印象材と石膏模型

ハイドロコロイド印象材は水分を多く含んでいるので、同じく水を使う石膏を印象に流すと、印象材に接する面(つまり模型の表面)に影響を受けることがあります。

一般的には、ハイドロコロイド印象材に使用する石膏は、面荒れの少ない、タイプ3硬質石膏が良いとされています。一方、タイプ4硬質石膏(超硬質石膏)はやや表面が荒れることがあります。

ただし、実際には、超硬質石膏にはたくさんの製品が販売されています。同じ超硬質石膏でも、それぞれの製品ごとに使われている添加物質や原料が違います。ですので、超硬質石膏はハイドロコロイド印象材に使うと、必ず面が荒れてしまうというわけではありません。自分にとってベストな組み合わせを見つけたいですね。

印象材の消毒

患者さんの中には、感染症やウイルスをもつ方もいらっしゃいます。そのため診療室では、患者さんの血液や体液が付着する恐れのある印象を必ず消毒します。

印象材の消毒 (印象採得終了後〜)

  1. 水で洗う(水洗)
  2. 次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬しんせき(浸けて)する。または、消毒液をスプレーで噴霧する。
  3. 石膏を注ぐ。場合によっては、模型も消毒を行う。

印象材の性質についてちょっとわかったよ。

使うときは、使う量や温度に気をつけたり、変形させないように注意しながら模型を作るんだね。

そうだね。使いはじめは慣れなくて、作業中に固まってしまうこともあるけれど、だんだん慣れていけば、使いこなせるようになってくるからね。

次回は、新しい単元に進みます。ここまでの部分をよ〜く復習しておいてね。

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