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【印象材】 2. ハイドロコロイド印象材 ②アルジネート印象材

印象と模型製作

アルジネートってなんだろう?

今回は、アルジネート印象材について学習していくよ。

アルジネートって、なんだろう?初めて聞くよ。

アルジネート(alginate)は日本語でアルギン酸という物質のこと。

アルギン酸は、寒天と同じ、海藻から抽出された成分なんだ。

寒天印象材もアルジネート印象材も、どちらも海藻から作られているってことだね。アルジネート印象材について教えて!

アルジネート印象材の使い方

アルジネート印象材の使い方については、こちらのページの「印象採得の方法」参考にしてください。

【印象材】 1. 印象材の種類と分類
印象材って何?今回から、型をとるための印象材いんしょうざいという材料について学習していくよ。ぼくは虫歯になった時に、歯科医院に行って歯を削られたことがあるよ。そのあと、グニャグニャしたもので口の中の型をとられたんだけど、苦しかったなあ・・・。その「グニャグニャしたもの」が印象材だよ。最近は、虫歯になる人が少なくなってきてい...

アルジネート印象材ってどんな印象材?

【その1】アンダーカットのある概形印象採得に使う。
  • アンダーカットのある印象採得に使える(=弾性印象材)
  • 精密さは寒天におとが、だいたいの形の型がとれる(=やや低い流動性
  • 口の中の唾液などの水分となじみやすい(=親水性しんすいせいがある

アンダーカット、意味は覚えているかな?図の赤い部分だよ。

歯の一番出っ張った部分の下で、へこんだところだよね。

【補足説明】概形印象採得は、特に精密な模型が必要な「入れ歯(義歯)作り」で行う。

歯科医院で治療を始めるとき、まず最初の印象採得は、アルジネート印象材既製きせいトレーを使い、概形印象採得を行う。

既製トレー (左から、Sサイズ Mサイズ Lサイズ)

概形印象を使って作成した石膏模型を研究用模型という。

研究用模型を使って個人こじんトレー(患者さん個人の専用のトレー)を作る。

そして、個人トレーと精密印象材を使い、精密印象採得を行う。精密印象を使って作成した石膏模型を診断しんだん用模型という。

左:個人トレー 中:既製トレー(総義歯用) 右:既製トレー

概形印象で作った模型が、研究用模型で

精密印象で作った模型が、診断用模型ね!

【その2】適度に強度がある。

強度の小さい寒天印象材は、単体だとちぎれてしまう恐れがあるが、アルジネート印象材はある程度の強度がある。そのため、寒天印象材を使うときにアルジネート印象材を一緒に使うと、印象を壊さずに使うことができる。

このような印象を寒天-アルジネート連合印象という。

【その3】安価あんかなため、日本では、臨床場面で最も多く使われている。
寒天アルジネート連合印象
 

硬化のしくみ

アルジネート印象材の成分と役割(一例)

成分配合量役割
アルギン酸ナトリウム12主成分
硫酸カルシウム(石膏)12水に溶けてカルシウムイオンを出す
リン酸三ナトリウム2硬化時間調整
珪藻土けいそうど70充填剤じゅうてんざい
顔料がんりょうなど4着色剤ちゃくしょくざい

アルギン酸は水に溶けない(不溶性)物質です。だから、水に解けるようにするために、アルギン酸にナトリウムを加えた、アルギン酸ナトリウムまたは、カリウムを加えたアルギン酸カリウムを使うよ。

あれ?この表を見ると、珪藻土が一番たくさん入っているんだね。

 

珪藻土って、お風呂に入った後に使う足拭き用の珪藻土のマットがあるよね。足がすぐ乾くから、ぼくは好きだけど、印象材にも使われれるの〜?

珪藻土は、小さい穴がたくさんあいてて、水をよく吸収する性質を持つよ。

アルジネートに入れると充填剤として働くよ。充填剤は、簡単にいうと、強度を出すためのもので、これはフィラーとも呼ばれるよ。アルジネート印象材がしっかりとした強度のあるゲルにするために入れているんだよ。

アルジネート印象材の硬化の仕組み

  1. アルジネート印象材と水を練和すると、アルギン酸ナトリウムが水に溶ける。

  2. アルギン酸ナトリウムと石膏から溶出したカルシウムイオン(Ca2+)と化学反応し、アルギン酸カルシウムをつくる。

  3. アルギン酸の架橋構造(網状の構造のこと)ができ、ゲル化する。

アルギン酸ナトリウムと石膏のカルシウムイオンがそれぞれ水に溶け、アルギン酸カルシウムを作ることで、全体がゲル化し、硬化する。

寒天印象材とアルジネート印象材の共通点

寒天印象材とアルジネート印象材の2つの共通点は、どちらも「水」を含んでいるということです。

この2つの印象材をハイドロコロイド印象材と言います。(ハイドロは、「水」を意味する)ハイドロコロイド印象材の共通点があります。

【その1】寸法変化が大きい

型をとった後、室温に放置する

  • 水分の蒸発で収縮する(体積が小さくなる)
  • 離液りえきによって収縮する(体積が小さくなる)

型をとった後、水中に保管すると水分を吸って膨潤ぼうじゅんする(体積が大きくなる)

離液現象ってなんだろう?

例えば、ゼリーの蓋を開けたときや、ゼリーをすくっているときに液や水分のようなものが染み出しているのを、見たことないかな?

 

これは、ゲル化した内部から、水分が外側に出たもので、離液と言うよ。逆に、ゲルが水分を吸って膨らむことを膨潤と言うよ。

 

【その2】相性の良い石膏・相性の悪い石膏がある

  • 離液によって染み出した水が印象の表面で硬化中の石膏に取り込まれ、石膏の混水比が通常より大きくなる。水分が増えて石膏の混水比が一部だけ大きくなると面荒れ(表面がボソボソしたりすること)が起こる。
  • 相性の良い石膏は、普通石膏と硬質石膏。相性があまり良くない石膏は超硬質石膏。超硬質石膏に含まれる硬化膨張を抑える添加物質が、硬化時間を遅延させる。

陰型と陽型

ここまで、模型材と印象材について学んできました。

印象(陰型いんけい)に石膏のような模型材を注いでできた模型のことを陽型ようけいと言います。

また、新しい言葉がたくさん出てきたね。

本日は、ここまでにしましょう。

アルジネート印象材は、寒天印象材と同じハイドロコロイド印象材で、不可逆性の弾性印象材です。

また、トレーや模型の種類についても少し触れました。

 

次回はゴム質印象材について学習します。

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