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【レジン成形】 3. 常温重合型 義歯床用レジン(流し込みレジン)の組成と役割

レジン成形
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今回は、義歯床用レジンの常温重合型レジンについて、みていきましょう。

常温ってことは、加熱しないで硬化するんでしょ??

いつも鋭いね!でも、常温と言いつつ、実はちょっとだけ加熱するんだ。さっそくみてみよう。

常温重合レジンって何だろう?

常温重合レジンも、粉(右)と液(左)セットで使います。

液のことをモノマー、粉のことをポリマーといいます。この2種類を混ぜて使います。常温重合レジンは、使う時に液体状のレジンを型に流し入れるので、流し込みレジンとも呼ばれます。

常温重合レジンも、粉と液体を混ぜてふやかすのかな?

常温重合レジンは、2つを混ぜると反応が始まるんだ。だから、ふやかす必要はないんだよ。粉と液の比率も、加熱重合レジンとは違って、液が多めだよ。

粉液比

モノマーとポリマーを入れる比率を粉液比こなえきひと言います。

製品によって粉と液の比率は様々ですが、常温重合レジンは、2パターンの成形方法があります。それは、レジンを餅状にして塡入して使う場合と、液体状で流し込んで使う場合です。

ある常温重合レジンの製品の使用説明書には、次のように粉液比が書かれています。

注入ちゅうにゅう法:”粉:液=10g:5ml”
流し込み法:”粉:液=10g:7ml”

常温重合レジン(流し込みレジン)の使い方

常温重合レジンは、義歯床を作るだけでなく、様々な技工物をつくるために使われます。ここでは、患者さんが最終的な技工物を入れる前に、完成するまでの期間一時的に使う仮の歯の作り方をご紹介します。

【基本】常温重合レジン(流し込みレジン)を使った仮歯かりば(テック)の作り方

1 歯を削る前に印象採得し、模型を作り、シリコン印象材(パテ)で削る部分の歯の印象を採ります。これをシリコンコアと言います。

2 削った後の印象採得をし、模型を作ります。模型の表面にレジンがくっつかないように分離材を塗ります。

3 常温重合レジンの粉と液を流し込み用の混液比で練和します。練和したレジンをシリコンコアの内面に流し込み、柔らかい間に、削った模型に戻します。

4 シリコンコアを模型から外します。

5 薄くはみ出した部分を削って、研磨します。

6 完成

常温重合レジン(流し込みレジン)の組成と役割

重合については、こちらに詳しい説明がありますので、まずはこちらを読んでからこの先に進みましょう。

常温重合レジンの液と粉にはどんなものが入っているのか、その原料について、みてみよう。

モノマーの組成

成分名略称役割特徴

メチルメタクリレート

(メタクリル酸メチル)

MMA液の主成分重合されることでポリメチルメタクリレートになる。
ハイドロキノン 重合禁止剤

全体の数%含まれる。日光や紫外線による重合を防ぐ(保存安定性を高める)。

エチレングリコールジメタクリレートEDMA架橋剤

全体の数%含まれる。重合体の強度が向上する。

第3級アミン

 重合促進剤

粉と液を混和するとBPOを活性化し、ラジカルを発生させる。

 

ポリマーの組成

成分名略称役割特徴

ポリメチルメタクリレート

PMMA

粉の主成分

義歯の重合体

過酸化かさんかベンゾイルBPO重合開始剤

重合を開始する。

顔料がんりょう

 着色

レジンに色をつける。

繊維状色素合成物せんいじょうしきそせいぶつ

 歯肉再現

見た目を本物の歯肉のようにする(血管)

 

加熱重合レジンには、第3級アミンは入ってなかったけど、常温重合レジンには、入ってるんだね。

硬化のしくみ

常温重合レジンは重合反応を起こすことで硬化します。

硬化のしくみ(流し込み法の場合)

  1. モノマーとポリマーを混和する。

  2. 第3級アミンが過酸化ベンゾイルを活性化させ、重合開始剤として働き始め、ラジカルが発生する。

  3. ラジカルが重合反応を進める。

  4. 重合が終わる。

ただし、実際に使うときは、レジンを短時間でしっかりと重合させるために約55℃に加熱して、さらに、中の空気を抜くために加圧をしながら重合するよ。

歯科技工用重合装置という専用の機械があって、その中で重合させるよ。

歯科技工用重合装置 プレッシャーポットSタイプ(東邦歯科産業株式会社)

出典:https://dental.feed.jp/catalog/labo/category/1026/product/018003220.html

【参考】http://www.toho-dental.jp/sub_02_06.htm

本日は、ここまでにしましょう。

次回は義歯床用レジンの特性について解説していきます。

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