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【レジン成形】 2. 加熱重合型 義歯床用レジンの組成と役割

レジン成形
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今回は、義歯床用レジンについてさらに詳しく紹介していくよ。

まずは、重合型アクリルレジンの加熱重合レジンについて、みていきましょう。

前回、入れ歯を作るときにレジンを加熱してたよね。だから加熱重合レジンっていうのかなあ?

素晴らしい!重要なところを覚えていたね。

ではさっそく行ってみよう!

加熱重合レジンって何だろう?

加熱重合レジンは、粉(右)と液(左)セットで使います。

液のことをモノマー、粉のことをポリマーといいます。この2種類を混ぜて使います。

石膏は水と混ぜて使うよね。

加熱重合レジンも、粉と液体を混ぜるんだね。ということは、粉と液を混ぜると硬化するのかな?

石膏は粉と水を混ぜると化学反応が起きて硬化するだったね。

加熱重合レジンは、2つを混ぜてすぐに反応は起こらないよ。

まずは、粉と液を特殊な容器に入れて、粉を液にふやかすんだ。

加熱重合レジン・・・加熱によってかたまる物質が出てきて硬化するレジン。熱硬化性レジンの一種。一般的にはアクリル樹脂とも呼ばれる。高い透明度を持ち、紫外線をよく透過する。見た目の外観がよく、表面に光沢があり、高い硬度(表面)のが特徴。メチルメタクリレートを原料とする。

混和(重合前の準備)

モノマーとポリマーをレジン混和器こんわきというガラス容器のくぼみに入れて、粉を液にふやかす作業を行います。これを混和こんわと言います。

レジン混和器

レジンをたくさん使うときは大きなくぼみ、レジンを少しだけ使うときは小さなくぼみを使います。

どうして粉をふやかすの?

粉をふやかして、液となじませないと成形しにくいんだ。

 

餅状の混和泥(顕微鏡写真)

混和の工程で起こるポリマーとモノマーを、図を使ってみていくよ。

 

混和したところ

MMAはPMMAの大きさに比べてとても小さい。
PMMAは分子鎖が丸まって毛糸玉のような構造になっている。

混和〜数分後

MMAが徐々にPMMAの内部に浸透していく。最初は、全体が”おかゆ”のような状態(かゆ状/濡れた砂状)になる。

次に、糸を引く状態(糸引き状)に変化する。時間の経過とともにPMMAは膨らみながら徐々に溶けていく。

混和から約20分後(23℃)

さらに時間が経つと、混和泥全体が弾力のある塊になる。この状態を餅状もちじょうとよぶ。この時期が成形するために最適な時期である。餅状になった時点で、速やかに取り出して成形する。これを過ぎるとゴム状になり、成形しにくくなる。

粉液比

モノマーとポリマーを入れる比率を粉液比こなえきひと言います。

製品によって粉と液の比率は様々ですが、

”粉液比(P /L)(g /ml) 100/43” や ”粉末100gに対し、液43mlの割合で計量します”

のように、製品の使用説明書に書かれています。

Pは粉を意味するPowder、Lは液を意味するLiquidの頭文字です。

粉液比・・・粉と液の比率のこと。粉の単位はg(グラム)、液の単位はml(ミリリットル)。液の計量をするときにはメスシリンダーを用いる。

加熱重合レジンの組成と役割

重合については、こちらに詳しい説明がありますので、まずはこちらを読んでからこの先に進みましょう。

加熱重合レジンの液と粉にはどんなものが入っているのか、その原料について、みてみよう。

モノマーの組成

成分名略称役割特徴

メチルメタクリレート

(メタクリル酸メチル)

MMA液の主成分重合されることでポリメチルメタクリレートになる。
ハイドロキノン 重合禁止剤

全体の数%含まれる。日光や紫外線による重合を防ぐ(保存安定性を高める)。

エチレングリコールジメタクリレートEDMA架橋剤

全体の数%含まれる。重合体の強度が向上する。

 

ポリマーの組成

成分名略称役割特徴

ポリメチルメタクリレート

PMMA

粉の主成分

義歯の重合体

過酸化かさんかベンゾイルBPO重合開始剤

重合を開始する。

顔料がんりょう

 着色

レジンに色をつける。

繊維状色素合成物せんいじょうしきそせいぶつ

 歯肉再現

見た目を本物の歯肉のようにする(血管)

 

硬化のしくみ

加熱重合レジンは重合反応を起こすことで硬化します。

硬化のしくみ

  1. モノマーとポリマーを混和する。

  2. 65℃〜70℃に加熱する。過酸化ベンゾイルが重合開始剤として働き始め、ラジカルが発生する。

  3. ラジカルが重合反応を進める。

  4. 100℃に加熱する。重合されていないモノマー(未重合(未反応)モノマー)のほとんどが重合される。

加熱重合レジンを使うときの注意点

【その1】重合温度に注意する。
  • モノマーの沸点は100.3℃
  • いきなり100℃の熱湯に入れて重合すると、重合熱によりモノマーが沸騰し、重合体の内側に気泡が入る。これを内部気泡ないぶきほうという。
【その2】餅状で塡入する。

餅状を過ぎ、ゴム状になると硬くなり成形に向かない。また、糸引き状で塡入すると圧がかからずに内部の気泡が抜けにくくなる。

また、新しい言葉がたくさん出てきたけど・・・。

本日は、ここまでにしましょう。お疲れ様でした。

次回は続きから解説していきます。

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