セラミックスって何?

今回から、セラミックス について学習していくよ。

セラミックス って、何だろう?

セラミックス (ceramics)またはセラミック(ceramic)は、粘土やガラスなどの原料を焼き固めたもののことをセラミックス というよ。




ぼくがいつも使っているお茶碗やガラスのコップもセラミックス なんだね!

セラミックス を使う技工物を一部、紹介するね。




セラミックスで作ったものは、白くて本物の歯とそっくりだね!
原料であるセラミック粉を混ぜて成形し高温で焼いたものをセラミックスと呼ぶ。非常に硬く、熱や温度変化に強いが、衝撃などで割れやすい(脆い)。近年、それらの弱点を克服した強化型のセラミックスが登場している。

実は、石膏もセラミックスの仲間だよ。
セラミックス粉 (陶材)を使った陶材焼付金属冠の作り方

歯のかぶせのことを専門用語では「クラウン(冠)」と言います。ここでは「陶材」というセラミック粉を使ったクラウン「陶材焼付金属冠」の基本的な作り方を紹介します。
【基本】陶材焼付金属冠の作り方
【原型製作・鋳造】模型上で土台となる金属のキャップの原型を作り、鋳造します。
1 陶材を焼き付ける土台となる、メタルフレーム(又はメタルコーピング)を製作する。インレーワックスで原型を作り、専用の金属(陶材焼付用合金)を鋳造する。



2 メタルフレームの形を調整する。


3 メタルフレームを高温で焼く。金属と空気中の酸素が結合して表面に酸化被膜をつくる。


4 オペーク陶材を水又は専用液で練和し、メタルフレーム表面に塗布し、焼成する。



5 サービカル陶材 、デンティン陶材を築盛(陶材粉末を盛り上げる)し、焼成する。






6 エナメル陶材を築盛し、焼成する。焼成すると収縮するので、大きめに築盛する。



7 ステインを塗布し、焼成する。
陶材・・・数種類のセラミックス粉末を混合した材料。築盛によって歯の形態を作製し、焼き固める。主に自費治療で用いられる。
陶材の操作は複雑で、高い品質の物を作るためには熟練された高度な技術が必要となる。強度は弱いが、天然歯と同じような色調や質感が再現でき審美的に優れている。
陶材の分類
焼成温度による分類
種類 | 特徴 | 用途 |
高温焼成陶材 | 1300℃以上 | 陶歯の作製 |
中温焼成陶材 | 1,100〜1,300℃ | 陶歯の作製 |
低温焼成陶材 | 850〜1,100℃ | 陶材修復物や、金属焼付用陶材の作製 |
超低温焼成陶材 | 850℃以下 | 陶材修復物や、金属焼付用陶材の作製 |
成分による分類
種類 | 特徴 |
長石系陶材 | 単体で使い、ポーセレンジャケットクラウンや インレー などに用いる。審美性に優れるが、強度は脆い。 |
金属焼付用陶材 | 金属に焼き付けて用いる陶材。熱膨張係数が大きくなるよう 調整されている。 |

歯科用陶材で現在主に使われているのは、長石系陶材と金属焼付用陶材だよ。これ以外に、アルミナ陶材もあるけれど、現在はほとんど使われていません。
陶材の組成
長石系陶材の組成
成分 | 役割 | 高温焼成 陶材 | 中温焼成 陶材 | 低温焼成 陶材 |
長石 (正長石) | 陶材の主成分。カリウムを含むアルミノケイ酸塩。透明性を増加させる。 長石以外の成分である石英・陶土の結合や形状維持 | 80〜90 | 61 | 60 |
石英 | 骨格となる。二酸化ケイ素。 強度の向上、成形時の形状維持。 | 10〜20 | 29 | 25 |
陶土 (カオリン) | 成形性の付与。ケイ酸塩鉱物の一種で、カオリナイト(Al2Si2O5(OH)4)を主成分とした粘土。 | 0〜5 | ー | ー |
フリット | 焼成温度低下 | ー | ||
金属酸化物 | 着色 膨張調整 |

出典:http://www.ne.jp/asahi/lapis/fluorite/gallery6/430orthoclase.html

出典:https://planet-scope.info/rocks/minerals/quartz.html

出典:https://planet-scope.info/rocks/minerals/quartz.html

【参考】ガラスの色について
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